INEOS 1:59 Challenge
(動画:INEOS 1:59 Challenge)
なんだか賛否両論になってしまっているINEOSチャレンジですが、素晴らしいイベントでしたよね。
やはり陸上競技をエンタメとしてみることや、誰かと競っているわけではない部分が受け入れられなかったのだろうか。
でもそういう人で食わず嫌いしていたら、もったいないと僕は思います。あれだけのメンバーですよ。
中距離からマラソンまで、世代、国籍を問わず世界最高クラスのランナーが集結しているんです。その風景はすごかった。それだけで僕はお腹いっぱいだった。
特にインゲブリクトセンズやセントロなどのミドル組を正面から見ることってほとんどないので、僕はそれが新鮮でした。
今回は空気抵抗を意識した選手による風除け+wavelight +15分ごとのモルテン補給+ヴェイパーフライ+αという四段構え。
天候もチェックの上開催され、コースも走りやすい直線コース。前回よりもさらにパワーアップしたお膳立てとなります。
2'50前後の正確なペースでキプチョゲは走り続け、全く危なげなく2時間ギリを達成しました。かなり余裕ありそうでしたね。57分台ぐらいいくのではと思ってしまいます。
空気抵抗はおそらくそこまで関係なかったと思います。モルテンの効果は正直読めません。Wavelightは有効だったと思います。ペースはかなり正確でした。
そしてヴェイパーフライ+α。これは実際のところどこまで作用したんでしょうか。カーボンが3枚にエアクッションが2枚だそうで。さすがにこれは僕はやりすぎだと思いました。笑
技術的にこれがMAXだとしたらまだいいのですが、カーボンプレートがこの先も増え、さらに速く走れる靴が誕生し続けたら、人の力ではなく道具による力の割合が高くなっていく。それは虚しくなりますよね。どこかでラインを引いた方がいいのではと。
もちろん、NIKEの技術力はハンパじゃないものがあり、規制される前にこのINEOSチャレンジを実現し、2時間切りを達成。技術力をアピールできただけでも、NIKEとしては十分にやる価値があったはず。NIKEは規制されることも頭に入れながらやっているのではないでしょうか。
そしてイベントとしても、エンタメ性抜群で、陸上を知らない人でも楽しめる内容だったと思います。陸上競技のエンタメ化のひとつのモデルになったと思います。
とんでもない資金があってこそ実現したイベントでもありますが、今後似たようなイベントは増えるのでは。そして増えていいと思います。個人的には、陸上競技はもっと面白くていいと思います。
最後にキプチョゲ。今回はエンタメ性ばかり先行していますが、キプチョゲが純粋に2時間ギリに意欲を燃やし、集中して走ったことを忘れてはいけない。2時間を切れるのは自分しかいない、人間の限界を突破したいという純粋な思いがあったはずです。
キプチョゲのおかげで、人間は2時間を切れることが証明された。いろんなテクノロジーが融合して今回は2時間切りを果たされているが、何年かすれば公式戦でも2時間ギリが見れるでしょう。人間はもっともっとやれるんですね。
これってマラソンに限らず、日常生活の中に落とし込んでも勇気づけられることだと思うんです。
とんでもないプレッシャーがキプチョゲにはあったと思いますが、見事にやり遂げてくれました。僕は本当に素敵なイベントだと思いました。
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