Boston Marathon
http://registration.baa.org/2019/cf/Public/iframe_ResultsSearch.cfm
いやあ、盛り上がったねボストン。
昨年は川内選手が優勝、一昨年は大迫選手が初マラソンで3位。
今年は川内プロがディフェンディングチャンピオンとして出場。さらに井上選手、園田選手、木津選手、甲斐選手らが出場した。
今年も何か起こるのでは?と日本では盛り上がり、ダゾーンの緊急中継も決まった。
招待選手は昨年2位、一昨年優勝者のジェフリーキルイのほか、チェロノ、デシサ、ケネスキプケモイ、レマ、フィレモンロノ、デクシサ、レミ、フェリックスカンジェなどアフリカ勢が揃った。アメリカもウォード、リッツ、ファウブル、リッチーなどがエントリー。
女子はどちらかというとロンドンに有力選手が集まり、エドナキプラガト、ドバイ2位のデガファ、サイナ、アセファら。アメリカは久々のハセイ、ディフェンディングチャンピオンリンデン、サラホール、昨年2位のセラーズなど。
天候が心配されたが今年は14度ほどの気温で風もそこまでなかった。
男女じっくりと走り出し、ハイペースにはならなかった。
女子は速い段階でデガファが飛び出し、そのまま独走で逃げ切り優勝。そのほかのハセイやエドナキプラガトは第2集団でじっくり走る。
エドナキプラガトが30kmすぎに単独2位を走行し、準優勝。ハセイは3位集団を振り切り見事に復帰戦を3位で飾る。さすがハセイだった。
男子は最初の下り坂で井上選手がトップを走り、リズムを作る。
川内選手もついていく。
この意図はおそらく、リズムを作ること、集団に飲まれないようにすること、良いポジションを作ること、あわよくば奇襲につながればというところだろう。
まあでも今振り返って考えれば、もっとどっしりじっくり走ってもよかったかもね。この序盤の走りをどう考えるか。
その後は集団が牽制し、最初の5kmが15'11。下り坂を考えればスロー。10kmも30'21、15kmも45'48、20km61'16。この辺りまでスロー。
ここまではアメリカのキベトやリッツ、ウォードが引っ張っていた。
ハーフを過ぎると、徐々に集団のペースが上がる。
ハーフ時点ではアフリカ勢と井上選手、ウォードぐらいしか先頭集団にはいなかった。ファウブルやリッツは遅れていた。
しかし25km〜30kmがまた落ちたんだよね。この区間はまだ下っているはずだったが、この5km15'30ぐらい。なのでファウブルとリッツが先頭に追いついた。
今にして思えば、その前の15~25kmをファウブルはじっくり走り、余力を残せていた。
そして30km以降、33km付近に上り坂があるがこの手前あたりでレースが動いた。やはり動かすのはジェフリーキルイ。キルイは毎回キーになる。
30kmから35kmが15'15。ここは急激に登っているのにその前の5kmより15秒速い。ここで井上選手、ウォードが遅れる。
しかしファウブルはついていくどころか先頭に出ていた。これは僕は大興奮でした。
ファウブルはイーブンペースで30kmまでを走れており、そのリズムに乗っかることで30~35で最高の走りをした。たまたまたなのか、感覚でこの5kmを走ったのか。NYCやフランクフルトなど過去のマラソンでもしっかりまとめていたし、マラソンの感覚は鋭い選手だと思う。
その後の35~40も下っているとはいえ15'04でまとめて、しっかりサブテン、ケフレジギ以来のアメリカ勢最高タイムを叩きだした。
反対に井上選手、ウォードは遅れてしまい、井上選手は12位。
しかしウォードは後半粘り、特に最後の2.1975kmは6'35とファウブルより15秒速い。しっかりサブテンでゴールした。
先頭はキルイが脱落し、ケネス、デシサ、チェロノの三つ巴。
35~40kmが14'29。デシサ、チェロノの争いに加わるケネスもやはり強い。
ラスト勝負でケネスが脱落し、デシサ、チェロノのスプリント勝負。
NYCでキタタ、カムウォロルにスプリントで勝ったデシサが強いと思われたが、チェロノが最後の最後で逆転。やはりチェロノが強かった。
チェロノはこれでWMM初制覇。ロンドンの雪辱を果たした。
そもそもロンドンは故障していたらしい。やはりチェロノは今キプチョゲに次ぐ強さがあるだろう。 https://t.co/BYfRN9CpL3
デシサの安定感はものすごいものがあるし、ケネスやキルイもやはり強い。
いい意味で波乱はなく、順当な結果だったのでは。しかしスリリングなレースで最高に面白かったです。
ここからは私の妄想。
どうしても昨年の川内選手や一昨年の大迫選手と井上選手は比べられてしまう。
この3人は全員時計を見ない選手。ただそれぞれタイプが異なる。
川内選手は昨年悪天候を味方につけ、自らレースをコントロール、駆け引きをしながら勝った。これはなかなか世界的に見てもできる選手はいない。
大迫選手は今できる最高の力を全て出し切ることで今できる最高の成果に結び付け、マラソンをまとめる、アーティスティックかつプロフェショナルなタイプ。
井上選手はアフリカ勢にいけるところまで食らいつき、自分の力を試しながら強くなってきた選手。アフリカ勢に勝つという気持ち、いけるところまでいくという気持ち、目線がものすごい高い選手。
なのでそれぞれレースの進め方は異なる。例えば井上選手は集団がペースアップしてもついていく。ここで離れて余力を残すようなことはしない。
もちろんこれで後半足が棒になるかもしれないが、ついていかないと優勝はできないから。今回のボストンは力試し、どこまでやれるかを考えていたと思います。
次はまたさらに強くなった井上選手が見れる。そして、MGCではアジア大会のような勝ちに執着したレースをするでしょう。そうなった時に本当の強さが見えるはず。
最後にチェロノのラップ。
5km 15'11
10km 30'21 15'10
15km 45'48 15'27
20km 1°01'16 15'28
ハーフ 1°04'29
25km 1°16'23 15'07
30km 1°32'01 15'38
35km 1°47'16 15'15
40km 2°01'45 14'29
フィニッシュ 2°07'57 後半ハーフ 1°03'28 ラスト2.1975km 6'12
いやあ、盛り上がったねボストン。
昨年は川内選手が優勝、一昨年は大迫選手が初マラソンで3位。
今年は川内プロがディフェンディングチャンピオンとして出場。さらに井上選手、園田選手、木津選手、甲斐選手らが出場した。
今年も何か起こるのでは?と日本では盛り上がり、ダゾーンの緊急中継も決まった。
招待選手は昨年2位、一昨年優勝者のジェフリーキルイのほか、チェロノ、デシサ、ケネスキプケモイ、レマ、フィレモンロノ、デクシサ、レミ、フェリックスカンジェなどアフリカ勢が揃った。アメリカもウォード、リッツ、ファウブル、リッチーなどがエントリー。
女子はどちらかというとロンドンに有力選手が集まり、エドナキプラガト、ドバイ2位のデガファ、サイナ、アセファら。アメリカは久々のハセイ、ディフェンディングチャンピオンリンデン、サラホール、昨年2位のセラーズなど。
天候が心配されたが今年は14度ほどの気温で風もそこまでなかった。
男女じっくりと走り出し、ハイペースにはならなかった。
女子は速い段階でデガファが飛び出し、そのまま独走で逃げ切り優勝。そのほかのハセイやエドナキプラガトは第2集団でじっくり走る。
エドナキプラガトが30kmすぎに単独2位を走行し、準優勝。ハセイは3位集団を振り切り見事に復帰戦を3位で飾る。さすがハセイだった。
男子は最初の下り坂で井上選手がトップを走り、リズムを作る。
川内選手もついていく。
この意図はおそらく、リズムを作ること、集団に飲まれないようにすること、良いポジションを作ること、あわよくば奇襲につながればというところだろう。
まあでも今振り返って考えれば、もっとどっしりじっくり走ってもよかったかもね。この序盤の走りをどう考えるか。
その後は集団が牽制し、最初の5kmが15'11。下り坂を考えればスロー。10kmも30'21、15kmも45'48、20km61'16。この辺りまでスロー。
ここまではアメリカのキベトやリッツ、ウォードが引っ張っていた。
ハーフを過ぎると、徐々に集団のペースが上がる。
ハーフ時点ではアフリカ勢と井上選手、ウォードぐらいしか先頭集団にはいなかった。ファウブルやリッツは遅れていた。
しかし25km〜30kmがまた落ちたんだよね。この区間はまだ下っているはずだったが、この5km15'30ぐらい。なのでファウブルとリッツが先頭に追いついた。
今にして思えば、その前の15~25kmをファウブルはじっくり走り、余力を残せていた。
そして30km以降、33km付近に上り坂があるがこの手前あたりでレースが動いた。やはり動かすのはジェフリーキルイ。キルイは毎回キーになる。
30kmから35kmが15'15。ここは急激に登っているのにその前の5kmより15秒速い。ここで井上選手、ウォードが遅れる。
しかしファウブルはついていくどころか先頭に出ていた。これは僕は大興奮でした。
ファウブルはイーブンペースで30kmまでを走れており、そのリズムに乗っかることで30~35で最高の走りをした。たまたまたなのか、感覚でこの5kmを走ったのか。NYCやフランクフルトなど過去のマラソンでもしっかりまとめていたし、マラソンの感覚は鋭い選手だと思う。
その後の35~40も下っているとはいえ15'04でまとめて、しっかりサブテン、ケフレジギ以来のアメリカ勢最高タイムを叩きだした。
反対に井上選手、ウォードは遅れてしまい、井上選手は12位。
しかしウォードは後半粘り、特に最後の2.1975kmは6'35とファウブルより15秒速い。しっかりサブテンでゴールした。
先頭はキルイが脱落し、ケネス、デシサ、チェロノの三つ巴。
35~40kmが14'29。デシサ、チェロノの争いに加わるケネスもやはり強い。
ラスト勝負でケネスが脱落し、デシサ、チェロノのスプリント勝負。
NYCでキタタ、カムウォロルにスプリントで勝ったデシサが強いと思われたが、チェロノが最後の最後で逆転。やはりチェロノが強かった。
チェロノはこれでWMM初制覇。ロンドンの雪辱を果たした。
そもそもロンドンは故障していたらしい。やはりチェロノは今キプチョゲに次ぐ強さがあるだろう。 https://t.co/BYfRN9CpL3
デシサの安定感はものすごいものがあるし、ケネスやキルイもやはり強い。
いい意味で波乱はなく、順当な結果だったのでは。しかしスリリングなレースで最高に面白かったです。
ここからは私の妄想。
どうしても昨年の川内選手や一昨年の大迫選手と井上選手は比べられてしまう。
この3人は全員時計を見ない選手。ただそれぞれタイプが異なる。
川内選手は昨年悪天候を味方につけ、自らレースをコントロール、駆け引きをしながら勝った。これはなかなか世界的に見てもできる選手はいない。
大迫選手は今できる最高の力を全て出し切ることで今できる最高の成果に結び付け、マラソンをまとめる、アーティスティックかつプロフェショナルなタイプ。
井上選手はアフリカ勢にいけるところまで食らいつき、自分の力を試しながら強くなってきた選手。アフリカ勢に勝つという気持ち、いけるところまでいくという気持ち、目線がものすごい高い選手。
なのでそれぞれレースの進め方は異なる。例えば井上選手は集団がペースアップしてもついていく。ここで離れて余力を残すようなことはしない。
もちろんこれで後半足が棒になるかもしれないが、ついていかないと優勝はできないから。今回のボストンは力試し、どこまでやれるかを考えていたと思います。
次はまたさらに強くなった井上選手が見れる。そして、MGCではアジア大会のような勝ちに執着したレースをするでしょう。そうなった時に本当の強さが見えるはず。
最後にチェロノのラップ。
5km 15'11
10km 30'21 15'10
15km 45'48 15'27
20km 1°01'16 15'28
ハーフ 1°04'29
25km 1°16'23 15'07
30km 1°32'01 15'38
35km 1°47'16 15'15
40km 2°01'45 14'29
フィニッシュ 2°07'57 後半ハーフ 1°03'28 ラスト2.1975km 6'12
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