箱根駅伝

http://www.hakone-ekiden.jp/pdf/95_Record_all.pdf

いやあ、面白かったよ今年。
力のある選手の爆走も見れた。道民の活躍も見れた。
区間新、大会新も連発。
ブレーキもすくなく、力のある大学がしっかり上位を走った。
推しの中大は惜しかったけど、いい走りをたくさん見れた。

東海大は今季は箱根を勝つことに注力してきたと。
夏合宿は単なる走り込みではなく、ペースを上げた走り込みをした。(3'20とかそれ以上)
多少の故障は仕方がないと捉え、リスクを抱えながらも距離を踏んだと。
青学は夏合宿では4分ペースの距離走を軸に、故障者を出さないような下地作りの合宿を行っており、この時点で対象的だった。
その結果出雲駅伝では青学が勝利、東海は故障者続出で3位に留まる。
世間的にはやっぱり今年も青学かというムードになるが、東海は箱根に合わせていたということ。

昨年まではスピードランナーの育成を重視し、箱根偏重ではなかった。
悪い言い方だと、せっかくこんだけスピードランナーがいるのに、スピードを殺した取り組みになる。
箱根重視という監督の考えをチームに浸透させるのは結構大変だったのではと思うが、東海の記事を様々見ていると、選手からも「海外合宿や海外レースができてこれだけの待遇があるのは箱根駅伝があるから」というようなニュアンスの発言もあった。
ここの理解ができているのが大人であり、ベクトルを一つに向けることができた監督・コーチ・マネージャーの力だと思う。
優勝後の談話では館沢選手はアメリカで長期練習、ドーハを目指すと。そのほかの選手も世界を目指してほしいとある。館沢選手については箱根前から最後の箱根のつもりでという発言もあった。
当然世界を目指すのであれば、特に館沢選手や坂口選手は世界標準に近く、夏合宿の走り込みはせず、箱根を考えずに専門的に練習した方がイイ。
であれば、実際は今年が最も箱根制覇に近づけるチャンスだったのかもしれない。
また、今年箱根制覇できれば、ドーハに向けての強化費も増えるかもしれない。そこまで考えて両角監督は箱根に挑んだのかも。
例年、箱根に合わせると春先からのトラックシーズンは苦労するイメージ。マラソンとトラックの高いレベルでの両立は難しいけど、箱根とトラックの両立も実はなかなか難しい。
ここからのトラックシーズンで東海の暴れん坊が見れたら、それでこそ東海スゲーとなる。難しいことだとは思うが、トラックでの好記録がぜひ見たい。
あとは、以前からマラソン挑戦を公言している中島選手や、湊谷選手湯澤選手あたりのマラソン、ロードでの活躍ももっともっとみたいですね。MGC参戦とかしたら盛り上がるんだが。

最後に小松選手。これは泣いた。泣
今まではなかなかメンバーに入れず。そりゃあこのメンバーだと入りづらい。
が、箱根前の練習一本一本集中して取り組み、一番強かったと。実力でメンバー入りをものにした。
元々伸びやかでストライドが大きく、スピードのある選手。2017の12月に28'35、2017年夏に1500m3'44をたたき出したが、距離対応ができずメンバー漏れ。
しかし2018年は年間通してトラック、ハーフに出場。今年更新した自己ベストは上尾の63'07と5000mの13'59。箱年の走りをみたら当然もっと出せる。
3月の学生ハーフはそれなりに走れていたものの、そこからのトラックは調子は悪かった。それでも調子が悪いなりにもコンスタントにレースに出場し、タフさを身につけた。
鬼塚選手もそうだったが、調子が悪くてもレースに出して自分と向き合わせることを両角監督は行っていたような気がした。こういう経験、流れは大事だと思う。
日本は強化→記録会で記録を狙うという流れで記録偏重になることが多いが、海外はレースを重ねながら経験を積んでいく。ここも今季の東海大の特徴だったのでは。
念願の出走、めちゃめちゃ集中しているのがわかった。鳥肌が立った。
そして誰が破れるんだと言われた、不滅の古田選手の区間記録を更新。あの記録は後半爆上げがあり、区間記録ペースを度外視しなくては更新できない記録。とんでもないことをやってのけた。本当におめでとうございました。泣

展開的には、2区湯澤選手が大きかった。あとは青学を諦めさせるような7区阪口選手も大きかった。9区湊谷選手のリベンジも熱かった。他の区間は想定通りだったと思うが、この湯澤選手湊谷選手の頑張りと7区阪口選手の起用が当たったなあと。にしてもめちゃくちゃ強かった。

僕は原監督の考え方とか指導方法はすごく社会人的に良いなと思っており、そういう組織は模範だなとよく思う。見習わないと・・・と。
元々スーパー営業マンだったこともあり、なんとなく緻密なイメージ。計算ができて、データもとる。「ここがこうだったらこうなる」を計算しながら。
もちろん感覚もあると思うけど、どちらかというとコンピュータ系な。営業の数字の追いかけ方に似ている気がする。
名門中の名門を長く指導してきた両角監督とは対照的だと思う。どちらかというと両角監督は感覚型で、選手を型にはめないような。
今回の箱根は区間新連発で、記録もインフレした。こんな想像を超えた大会だと、両角監督のような感覚が勝つ気がする。高校駅伝の仙台育英の国内最高、佐久長聖の最高記録の時と同じような感覚を今回の箱根に感じました。
森田主将を中心とする主体的で学生中心のチームは組織の理想形だと思う。これ以上ない強い組織なのでは。青学黄金時代は終わらないで欲しい。

その他の上位校は下馬評通りの強さでしたね。山の法政は今年も。
國學院は藤木選手のスーパーな走りがありました。一時は中谷選手の前にでて、単独5位を走行。本人は悔しいかもしれない。たった1年で世代トップクラスと肩を並べてしまった。
今後がますます楽しみ。
帝京、國學院、拓殖の育成力がすごい。帝京は最終的には5位に滑り込む。拓殖は岡田監督お疲れ様でした。山下監督の手腕に期待。
中央は久々にトップを走っている姿見れた。Wエースがいなくなるのは非常にさびしい。復路8位は収穫。2年生世代、頑張ってほしいですね。

他に印象に残ったのは東洋の鈴木選手、6区の今西選手VS中島選手VS小野田選手の猛烈バトル、西山選手の復活、塩尻選手の三代越え、相澤選手の藤田越えなど。見どころたくさんでした。特に塩尻選手の三代越えはやばい。

あと、毎年起こる箱根批判。日テレの無理矢理ドラマ劇場はよくないなあと思う。
足をひきずる選手を映すなということではないが、それをチャンス!と嬉しそうに叫び倒すのは気持ち悪い。
箱根の燃え尽き症候群は悪い言い方なだけであって、別に箱根がゴールでも全然いいと思います。最近はなくなってきたが、箱根がマラソンをダメにしている理論は極論だと思う。どちらかというと実業団がマラソンをダメにしているのではと。
指導方針も走り込み偏重から少しづつスピード重視になってきているはず。各大学やり方は違うけども、距離踏めば勝てるという時代でもないし。
ただ今年の東海は強化の仕方が特別で、これを毎年続けるのだろうか。これを他のチームが目指すのは違うと思う。今後の取り組みがまた学生長距離の流れを変えていくので、注目してみていきたい。

コメント

このブログの人気の投稿

北海道高等学校陸上競技選手権大会

北海道高等学校陸上競技選手権大会(女子)

北海道中学校新人陸上競技大会